京都市東山区六原地区は清水寺と鴨川の間、五条通の北に位置し、町家や寺社が軒を連ねる街並みが多く残る地域です。狭小な路地や老朽化した木造家屋、空き家の増加、民泊・ゲストハウスへの転用、観光客によるプライバシーの侵害など京都市が抱える都市的な課題に直面しながら、それらに協力して取り組む住民活動も活発です。地区の一角には戦前に建てられた賃貸住宅が立ち並ぶ昭和小路と呼ばれる狭い路地があり、今も多くの人々が暮らしています。住民の方々の働きかけにより、昭和小路は建築基準法第42条3項道路の指定を受け、幅員2.7mの路地空間が保存されていますが、長屋の老朽化と住民の高齢化が進み、建物を健全な状態に改修して地域コミュニティを次なる担い手に継承していく必要に迫られています。
　2023年、昭和小路から枝分かれした細い路地の先に長い間放置されていた古い長屋を一棟改修することになり「ココナガヤ」のプロジェクトがスタートしました。建築基準法上の可否、事業収支、地域との関係性などを多角的に検討し、小商いができるメゾネット賃貸住戸が3つと、多目的に利用できるコモンスペースが立体的に組み合わさる間取りが導き出されました。京町家まちづくりファンド委員会の助言を仰ぎながら建物の履歴を検証する中で、この建物が通り庇や出格子のある一般的な京町家ではなく清水焼の倉庫として作られた「倉庫長屋」であったことが判明し、新築当時の意匠を尊重しつつ間取りに応じた修景を行う事で、和洋が混交した戦前の手工業の匂いのする独特のファサードとなりました。性能面では限界耐力計算による耐震改修を行うと共に、軒裏・開口部・外壁の防火改修を行い、将来に渡って安全・安心に使うことが出来る建物にアップデートしました。
　
　ナリワイとくらしを両立できる「職住一体」の住戸と、地域の人々が集い、遊ぶこと、学ぶこと、食べること、感じること、見ること、さまざまな「コト」をはじめられるコモンスペースが一体となった複合施設「昭和小路ココナガヤ」が完成を迎えるにあたり、オープニングイベントを開催することとなりました。館内をご自由にご覧いただくことができ、各種イベントもございますので、お気軽にお越しください。

［開催概要］
一部：
・ワークショップ（箸置き作り、アクセサリー作り）
・飲食イベント
・陶芸展示販売
・陶器絵付け実演
・トークイベント1　地域・コミュニティ・居場所づくり「地域をひらく、コトの力」-日常から生まれる場の使い方-
・トークイベント2　設計士による建物の解説
・トークイベント3　建物・空き家活用・不動産・収益性「リノベーションって実際どう」-空き家活用のはじめ方‐
二部：
ココナガヤ関係者、地域の皆さま、この取り組みに関心のある方にご参加いただける交流会

［イベント開催日時］
2025年7月26日(土)
一部：10:00-16:00（予約不要）　
二部：17:30-20:00終了予定（予約制）

［参加費］
入場無料
一部：ワークショップ・飲食イベントは有料、トークイベントは無料
二部：一般：3,000円、学生：1,500円、高校生以下：500円、昭和小路にお住まいの方：無料

［二部（交流会）のお申込み］
チラシ画像のQRコードまたは以下のURLよりお申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScrsw6QyI-uz4yo_wK1ig_7_H67h4clh-SGZCy16gYY0prHNg/viewform?pli=1

［開催会場］
昭和小路ココナガヤ（京都市東山区五条橋東四丁目432番地）

［お問い合わせ］
coconagaya@gmail.com